子どもを尊重するようになった

20年前の保育所では、どの保育士も「とにかく減らしません。嫌いでも食べなさい」という考えで食事の指導をすすめていました。正直、嫌いな食べ物を前にして、子どもも保育士も頭を抱えていました。給食は一部の子どもにとって、保育所の生活で間違いなく嫌な時間であったに違いありません。

しかし、遅い時間に給食のお皿を返しにいくと、お皿を洗ってくれる給食のおばちゃんに怒られる。そして、お当番が返しにいく時間に間に合わないといけないという自分の気持ちから時間ぎりぎりに我慢して、口にかきこむという子どもが大半でした。

嫌いな食べ物が多いという子どもの大半は、親が嫌いだからその食べ物を食べるという経験をしたことがないという理由からでした。だから、保育士もいろいろな食べ物を残さず食べさせることに全神経を集中していました。しかし、時代の流れとともに、今は少しずつかわってきました。

最初のうち「嫌いなら食べなくていい」と無理強いはしません。嫌いなものを無理やりだと、食べること自体を嫌になってしまうからです。「嫌いなものについては一口だけ食べる。それ以外は、減らす」ということを行うようにかわってきました。そうなると心の負担は違います。

量に関しても、少食で食べられないなら、口をつける前に自己申告して減らす。そうすると他の好きな子どもが、食べれるから無駄がないと教えます。口をつけた食べ物は、他のこどもに食べてもらうことはできません。

そうなると捨てるしかないのです。捨てるとなるともったいないから、欲しい子が食べたらいいということを教えていくようにかわりました。嫌いな食べ物が多く、いつまでも昼寝ができないという子どもは確実に減ってきました。

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